3月10日に、平成元年から飼っていたネコ
雄雌2匹のうち雄の方が亡くなりました。双
方とも雑種のネコですが室内飼いだったため
か非常に長生きで人間の歳にすると90歳以上
だそうです。生き物を飼っているのですから
いつかは死を迎えるのは当然ですし大変高齢
であるためそんなに長くない将来その日がや
ってくるものと覚悟はしていましたが、前日
まで元気で1メートル以上の高さまでジャン
プしていたネコが翌日突然元気がなくなり死
んでしまったので非常にショックを受けまし
た。
当日は土曜日でしたが朝診療開始前はまだ
元気そうでしたが午前11時頃多少元気がない
ようでしたのでお腹が空いているのかと思い
餌を与えまた診療に戻りました。土曜日の午
前中は混んでいることが多く、この日も午前
中の診療終了時間13時まで様子を看に行くこ
とができませんでした。たまたまこの日は家
族が誰もおらず私ひとりしかいなかったこと
も運が悪かったと思います。13時の時点では
かなり辛そうで緊急を要する状況で昨年通院
していた動物病院は午後4時まで休診ですし
慌ててネットで動物病院を検索しましたがな
かなかこの時間に診療しているところは見つ
かりません。そうこうしているうちに様子を
看に行ったら既に亡くなっていました。早く
気付いてやれなかったのが残念ですし、死の
瞬間に一緒にいてやれなかったのも心残りで
す。
当院を開業する5年も前から私が飼ってい
てもう家族の一員でありその家族の中でも付
き合いが長く、もう傍にいることが当たり前
になっていてよく言われるように空気のよう
な存在になっていました。長期間にわたりだ
んだん弱っていって死を待つというのも辛い
のですが今回のように突然死んでしまうとそ
の辛さに加えて残された者には強い後悔が残
るのではないでしょうか。私も最近のことを
思い起こして、死の前日に鳴いていたのを無
視せず相手をしてやればよかったとか、もし
かして体が辛いのを訴えていたのを見逃した
のではないだろうか、お腹を空かせてたんじ
ゃないだろうか、もっとおいしいものを与え
てやればよかった、行動範囲や世界の狭い室
内飼いははたして彼にとってよかったのだろ
うか、うちで飼われて幸せだったのだろうか
等いろいろ考えてしまいます。
もう一方のネコは何事にも動じず見知らぬ
人や家族が近付いても知らん顔で我関せずで
あまり動き回ったりしません。「私に構わな
いで。でもご飯はちょうだいね。」という感
じです。それに対して先日亡くなったネコは
臆病で見知らぬ人が来るだけで隠れてしまい
ます。逆に家族には甘えたい方で常にニャー
ニャー鳴いていました。そのくせ好奇心は旺
盛で自分でドアを開けて家の中のいろんなと
ころに入ってしまいます。またちょっと目を
離すとテーブルの上の人間の食事を食べてし
まいます。しかし好き嫌いも激しく乾燥飼料
は殆ど食べませんしネコ缶の好みも厳しくコ
ロコロ好みが変わります。そのため一泊以上
の旅行はできませんでした。さらに病気も外
飼いのネコに比べると少ないとは思いますが
もう一方のネコが全く病気やけがをしないの
に比べるとよく病院には連れて行っていまし
た。いわゆる手の掛かるネコで、その分接触
する機会も多く思い出もいっぱいあります。
浴槽や洗濯機の中に落ちたら危険ですしト
イレの水を飲まれても困るので、入られては
まずい場所のドアには開けられないように人
間が使うにも不便ですがいちいち鍵を掛けて
いましたが、それも必要なくなるんですね。
常時点けていた冷暖房もいらなくなるんです
ね(もう一方のネコは別の部屋にいます)。
食卓の上の料理から目を離しても誰も持って
いかないんですね。食卓の椅子に座ると私の
膝の上に乗ってくるネコはもういません。
3月11日(日)午後1時、ペット専用の葬祭
の方に来ていただき私がネコを抱くときに着
ていた彼のお気に入りの通称ネコシャツを掛
けてあげて火葬いたしました。火葬を始めた
その頃から暖冬と言われた今年では珍しく雪
が降り始め翌日まで降り続け今冬から初めて
仙台で3cmの積雪を記録しました。
(2007.3.14)
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