一昨年3月に、長年飼っていた2匹のネコのうち雄1匹(「うちのネコ」参照)を亡くしてから覚悟はしていましたが、
雌の方も今年5月4日に亡くなってしまいました。19歳9ヶ月と20年近く生きていましたから遠くない将来そのときが 来ると思いましたし、今回は最後までずっと一緒にいることができましたので後悔はありません。
ネコの20年は人間の年齢に換算すると情報元によって異なりますが96歳から115歳に相当するらしいですからか
なりの高齢です。獣医の先生によるとこのくらいの年齢になるとボケて、ところ構わず粗相をしたり食事をしたばか りなのにすぐに餌をねだったりするらしいのですが、この子はそのようなこともなく元気で世話も楽でした。
この子は生後1年くらいまで上の写真のように頭のてっぺんだけ毛が黒かったのですが、次第に黒い毛が少なく
なり2歳ぐらいには黒い毛が全くなくなり下の写真のように真っ白のネコになりました。また、一般的にはボブテール と呼ばれていますが生まれつき尻尾が短く成猫になっても3cmくらいしかありませんでした。
この子は生後1年より前に避妊手術を受けた以外は全く病気ををせず殆ど動物病院に行くこともなく餌も乾燥飼
料と煮干しが好きで、これだけ高齢になっても歯が丈夫でつい最近まで好んでそのような硬い餌を食べていまし た。もう一方のネコが好き嫌いが激しかったのに比べると本当に手が掛からない猫でした。
それが今年の3月8日ぐらいから殆ど食べなくなり元気もなくなりましたので、3月10日に慌てて動物病院に連れて
行きました。点滴を受けその日からレトルトパックの柔らかい餌に変えてだいぶ体力は回復しました。しかしもう以 前のように乾燥飼料や煮干しを食べることはできなくなっていました。柔らかい餌も食べられなくなってしまったら今 度こそ食べさせることができるものがなくなってしまい困るなと思い何度か乾燥飼料や煮干しを与えてみましたが、 やはり食べることはできませんでした。
恐れていた通りレトルトの餌も食べなくなり横たわったまま殆ど動かなくなってしまい4月23日動物病院に連れて
行きましたが、もう非常に危険な状態で、点滴による栄養補給以外に為す術なく今日明日あたりが山と言われまし た。なんとか危険な状態は乗り越えましたがその日から毎日病院に連れて行き点滴を受け、うちでは数時間毎に 注射器を口に入れてポカリスエットを飲ませる日々となりましたが、まだこの時にはまた再び歩けるようになるもの と信じていました。しかし4月27日点滴を受けに行った際に病院の先生に、もう歩けるようにはならないだろうと言 われてしまいました。
この頃にはトイレに行くことも上体を起きあがることもできなくなっていましたので寒くいないように暖房プレートの
上にペットシートを敷いたベッドに寝かせ、風が入らないようにするため座布団状のクッションを普段この子が愛用 していた市販のキャットハウスの内側に張ってやりました。
その日の夜、午前2時頃私が寝ていますとガタガタ音がして見に行くと、なんと残っている力を振り絞って頑張っ
てキャットハウスから出てきて20cmの段差を降りてトイレに行こうとしてトイレの前にふらつきながらも立っていると ころでした。立ち上がることはできないと言われていたのが歩いて段差まで降りたのです。さすがにトイレの段差は 乗り越えられないと判断し、抱いてトイレの中に入れてあげたところ大量のおしっこをしました。よほど我慢していた のでしょう。ペットシートを敷いているのですから、それほどまで頑張ってトイレに行かなくてもと思いましたが長年 の習慣なのでどうしてもトイレでしたかったのでしょう。
その翌日も夜中にキャットハウスから出てきてふらついて柱に腰をぶつけながらも、元気な頃に私がいつも膝の
上で抱いて寝かしていた椅子のところまで歩いてきましたので抱き上げてしばらくの間膝の上で寝かしてあげまし た。私も睡眠不足ですがそんなことを言っている場合ではありません。結局膝の上で寝かすのはこれが最後にな ってしまいました。膝の上で寝かせてから1時間ぐらい経って突然激しく痙攣しはじめました。体をさすってやって10 分ほどで落ち着きましたが無理して歩いたのが悪かったのでしょうか、その日から横たわったまま上体を上げるこ とはなくなりました。
この子は右を下にして寝るのが好きでしたが動けない状態では右前脚と右後脚が痺れて壊死してしまうのでは
ないかと思い何度か向きを変えましたが、体力や精神的にも消耗する危険性もありますのではたしてそれが必要 だったのかどうかはわかりません。
4月23日から毎日病院で点滴を受けていましたがゴールデンウィーク中も先生が点滴をしてくれると言ってくださ
いましたので非常にありがたかったです。
5月4日午前10時頃病院に連れて行くためキャリーボックスに入れると大量の血を吐きました。さすがに苦しそう
で、とりあえず吐瀉物を拭いて病院へと急ぎました。病院へ行って処置を受けると落ち着きましたので連れて帰っ てきましたが今日はずっと傍で看ていてやろうと思いました。
その日の午後4時頃静かに息を引き取りました。危険な状態と言われてから約2週間、大変苦しかったでしょうが
生きようとよく頑張りました。暖房の利き具合は適正だっただろうか、体の向きを変えたり膝の上に寝かせたりした のはかえって良くなかったのではないかとも考えましたが、最後は安らかな顔でしたのでそれだけが救いです。
翌日、一昨年ももう一匹のネコの時にお世話になったペット専用の葬祭の方に来ていただきネコシャツと一緒に
火葬いたしました。四十九日が済んだらもう一方の子と同様に葛岡霊園に埋葬しようと思います。
(2009.5.20)
|