スガワラ歯科クリニック リニューアルのポイント

1.車椅子対応・バリアフリー化

今回のリニューアルで最も費用の掛かった部分でもあり最も力を入れた部分です。
・玄関の段差の解消
 これから高齢化社会を迎えることもありさらに身体に障害を持たれる方にはちょっとした段差が健常者には考え
られないほどの妨げになっています。当院では各所の段差を1cm以下に設定しております。


・玄関までのスロープと手摺りの設置
 スロープは建物に沿った部分の勾配が10.3%、道路から建物の間は逆走の危険性を考慮して勾配8%とさらに緩
やかにしました(何れも建築会社提示の数値)。建物に沿った部分に手摺りを設けました。


・車椅子の方用のインターホンの設置
 玄関のインターホンとは別にスロープの途中の低い位置にインターホンを設置いたしましたので、車椅子の方、
ご高齢の方、障害をお持ちの方等入所時介助が必要な方はインターホンで呼び出して頂けばスタッフがお迎えに
参ります。スロープを上るのが不安な方もどうぞ遠慮なくご利用ください。


・車椅子対応のトイレの設置
 扉を引き戸にしてトイレ全体を広くし、車椅子用の手摺りを、またトイレ内で具合が悪くなった場合に押せる緊急
呼び出しボタンを設置いたしました。さらに赤ちゃんをお連れの方がおむつを交換できるスペースもご用意いたし
ました。


・通路の拡幅
 待合室から診察室や診療台への移動の通路を従来より幅広くしております。


限られた敷地ですが、これらの対応のために大きくスペースを割きました。駐車場や診察室内のスペース等にしわ
寄せが出てしまいましたがどうぞご理解ください。

2.口腔外バキューム装置の設置

 従来からの口腔内のバキュームに加えて各診療台床面から配管を出して口の外から吸う大型のバキューム装
置を設置いたしました。元々のバキュームとは別の吸引機を新たに機械室に設置していますので非常に強力なも
のになっています。

・感染源の飛沫防止
 歯を削る時に生じる唾液や血液などは他の患者さんや医療従事者にとって感染源となる場合がありますが、そ
れらのの飛沫を最小限に抑えることができます。

・粉塵の飛散防止
 歯科医院の床には補綴物を入れる時に削って調整するため金属やレジンの削りカスが粉末状になって落ちてし
まいます。それらは床を掃除するまでは落ちたままで人が歩けば空気中に漂ったりすることになりますがそれを最
小限に抑えます。

音がうるさい、口が渇く、怖い等アンケートではあまり良い評価をいただいておりませんが上記の通り衛生上大き
なメリットがあります。

3.衛生面での改善

 前項の口腔外バキューム装置もこの項目の改善点に属しますがそれに加え以前の診療所と比べて以下の点の
配慮を行なっています。

・スリッパ紫外線殺菌装置の設置
 使用済みのスリッパを別に分け消毒を行なった後殺菌装置に保管するようにしました。


・細かな温度湿度管理の徹底
 湿度が低いとインフルエンザ等のウイルスの蔓延、埃などの飛沫、湿度が高いとカビなどの原因になりますので
診察室、待合室各所の見やすい場所に温湿度計を設置して随時空調などを細かく設定管理するようにしました。


・トイレ個室内にも手洗い場の設置


・その他
トイレ内に便座クリーナー、ペーパータオルを設置、洗面カウンターにカップディスペンサー、ペーパータオル、ティ
ッシュペーパー等を配置する等細かい点を改良いたしました。

4.災害などに対する安全性向上への対応

 当院の旧建物は木造でなおかつトラックの通過でもかなり揺れるぐらいに地盤が弱く、東日本大震災で建物が歪
んでしまいました。その経験を元に地震対策をメインに安全性を向上するよう配慮しました。

・重量鉄骨造及び制震装置の設置
 建物の物理的強度を上げるため重量鉄骨造とし、効果のほどは定かではありませんが下の工事途中での写真
はハウスメーカー推奨の制震装置だそうです。


・非常口及び非常口案内表示の設置
 玄関とは反対方向に非常口を設置し、火災や停電時に避難路がわかりやすいよう停電対応の非常口案内と非
常灯を数カ所に表示しました。



・火災警報の消防署及び警備会社への自動通報
 不在時にも火災の発生を自動的に通報する他、診察室と待合室の間の通路部分にも非常ベルボタンを設置し
ました。


・緊急地震速報機の設置
 FMラジオ放送を利用した簡易的な装置ですが、大音量で知らせるよう診察室中央にセットしました。


5.診療所面積の拡大

 以前の診療所に比べて全体的に面積を広げました。広くすることによって可能になったことは以下の通りです。

・診療ユニットの増設
 診療ユニット(診療台)を従来の3台から5台に増設しました。

・プライバシーへの配慮
 各診療ユニット間と通路の間に背の高い棚を設置し衝立とすることによりプライバシーを保護しつつも閉鎖感が
生じないよう配慮しました。

・待合室の拡大
 椅子の数を増やしました。また車椅子のアプローチをしやすくしました。

・廊下、通路の拡幅
 幅を広げることにより車椅子の方をはじめ、すれ違いしやすくしました。同時に緊急時避難路の確保を容易にし
ました。

・カルテ庫の設置
 以前は保存カルテは様々なところに分散し探し出すのに時間が掛かりましたが、今回1ヶ所に集めることにより
効率化を図りました。

・消毒室の拡張
 以前より消毒、滅菌状態の器具のストック数を増やすことができましたので診療上消毒待ち、滅菌待ちの時間の
ロスを減らしました。

6.その他の変更点

 診療とは直接関係のない小さな改良点を挙げさせていただきます。

・照明の全面的なLED化
 看板照明、植裁内照明を含めほぼ全体的にLEDを採用し省電力化しました。


・環境ビデオ(BGV)のフルHD化
 以前のDVDからBlu-rayに変更しました。それに伴い液晶モニターも15インチXGA(1024x768)から21.5インチフル
HD(1920x1080)に変更し新たに自由度の高いモニターアームを設置し見やすい位置に移動しやすくしました。
 またモニターが大きくなったためレントゲン画像も見やすくなりました。


・院内BGMの規格化
 以前の医院でも診察室と待合室の天井にスピーカーがありBGMや受付から呼び出しができる機能があったので
すが配線の接触不良その他でいつの間にか使われなくなっていましたがリニューアルに伴いあらためて同機能を
設置いたしました。
 基本的にBlu-rayDiscからの音楽を流しておりますが歯科医院のBGMにふさわしくない音楽や台詞が入っている
ものであった場合、午前中はクラシックのピアノ曲又はバイオリン曲を流しております。午後と夜間は受付担当者
によって異なりますがクラシック以外の音楽を流しております。