小児・学校歯科

Q:フッ素塗布は大人には効かないのですか?

A:フッ素は虫歯予防のために塗布するわけですが、フッ素は歯から唾液中に溶け出した
  カルシウムやリン酸のイオンと結合して歯の表面にフルオロアパタイトという大変硬い
  結晶を作りこれにより虫歯になりにくくなるわけです。もちろん大人にもフッ素は効果が
  あるはずですが生えて数年以内の幼若な歯にこそ特に効果があるのです。加えて大人は
  食物や歯磨き剤から充分なフッ素を摂取することができますのでわざわざ歯科医院で
  フッ素塗布を受けても大きな効果は期待できないということです。ちなみにフッ素の含有
  量の多い食物は海藻、魚介類、緑茶、紅茶等です。

フッ化ナトリウム

Q:シーラントとは何ですか?

A:フィッシャーシーラントが正式な名称ですが、虫歯になりやすい奥歯の溝の部分を初期の
  虫歯のうち、もしくは虫歯にならないうちにレジン(プラスチック)で埋めてしまう治療法です。
  歯は全く削りませんから小さいお子さまでもストレスを感じずに治療できます。物理的に溝
  を埋めることによって歯ブラシの入りにくい溝のところに食べカスが入り込むのを防止しま
  す。乳歯および幼若永久歯(12歳くらいまで)で初期の虫歯の場合は健康保険適応となり
  ます。(参照)

Q:学校の歯科検診では虫歯がなかったのに歯科医院で虫歯ありと言われたのですが?

A:歯科に限らず学校検診はスクリーニングテスト(ふるい分け検査)と呼ばれ、簡単に言いま
  すと二次的な精密検査を受けるための大雑把な検査のことです。そこで問題がなければ
  精密検査を受けなくて良いことになります(陰性)。歯科で言えば検診で虫歯があると言わ
  れ(陽性)歯科医院を訪れるわけですが、それでも虫歯が見つからなかったり治療が必要
  なかったり(偽陽性)する場合があります。逆に検診で虫歯なしと言われたのに歯科医院で
  虫歯が見つかる場合(偽陰性)もあります。これは学校検診がスクリーニングテストである
  限り必ず発生します。
検査結果
実際の疾患の有無
あり
なし
陽性
真陽性
偽陽性
陰性
偽陰性
真陰性
 スクリーニングの概念に関する詳細は省略いたします
  学校検診というのは国や自治体の予算もありますし学校のカリキュラムの都合もあり、時
  間をかけることができません。自治体や学校によって違いがあるのでしょうがおおむね一人
  当たり1分間もかけられないのです。加えて歯科医院と異なりエアーやバキューム、明るい
  照明もありませんしレントゲンを撮るわけでもありません。従って初期の虫歯などは見逃し
  てしまう場合があるわけです。また歯科検診の前には歯磨きをするように指導されていま
  すが徹底されていない場合やブラッシングが不充分な場合もあります。このような場合は逆
  に奥歯の溝のところに黒っぽい食べカスが詰まっていて虫歯と診断されてしまう場合等もあ
  ります。さらに問題となるのは学校検診ではサホライド(塗銀)を塗ってある歯を治療済み歯
  として判断するようにとされていますが虫歯で黒くなっているのかサホライドによって黒くなっ
  ているのか判り難い場合もあります。歯科医院を訪れた際もサホライドを治療済み歯と判断
  する先生もいれば虫歯と判断する先生もいますのでこの辺りも混乱の原因になるかと思い
  ます。
   本来なら3歳児検診等を行ってる宮城野区保健所のように診療設備があれば良いのです
  が年に1回の検診のために学校にそんな設備を置く予算もないでしょうから歯科医院を訪れ
  て検診を受けさせるのが間違いが少なくて良いのです。

Q:検診でCOと言われたのですがこれは何ですか?

A:皆様ご存じの通り虫歯(齲蝕、Caries)は程度によりC1〜C4までに分類されます。COはシー
  ゼロではなくシーオーと読みます。これだけがCの後に付いているのが数字ではないのです
  が要観察歯(Questionable Caries under(or for) Observation)の略号になります。齲蝕(う
  しょく)とは判断できないが、齲蝕の初期症状を疑わせる所見をもつ歯と定義され学校検診
  では健全歯として扱うよう定められています。具体的には奥歯の溝のところ等の着色や歯の
  平らな面の白濁や褐色班等がこれに含まれます。
   歯を削らなくてもフッ素塗布やシーラント、ブラッシング等でも改善する場合もありますが一
  応念のために歯科医院で精密検査を受けたほうが良いでしょう。
エナメル質に限局する齲蝕
象牙質まで達した齲蝕。通常実質欠損を伴う
歯髄まで達した齲蝕。通常実質欠損及び疼痛を伴う
歯冠の崩壊が著しく残根状態となったもの
   齲蝕(虫歯)の分類 (実質欠損=穴が空いたり欠けたりしている状態)

(株)ナルコーム 文例達人2より転載

Q:学校の歯科検診で抜かなければならない乳歯があると言われたのですが?

A:これは学校歯科医が検診票に「×」と記載する歯のことを指していると思われますが、これは
  「要注意乳歯」のことで保存の適否を慎重に考慮する必要があると認められる乳歯と定義さ
  れてます。非常に分かり難い言い回しですが、分かり易く言いますと生え替わりの時期でグラ
  グラしている乳歯、生え替わりの時期を過ぎているのに残っている乳歯、根っこしか残ってお
  らず慢性的に炎症を起こしていて後続の永久歯に悪影響を及ぼす恐れがあり抜いたほうが
  良い乳歯等を指します。ですから先天的に後続の永久歯がない場合(レントゲンを撮らなけ
  れば判断できませんが)にはむしろ残したほうが良い場合の歯も含まれます。ですから必ず
  しも抜かなければならないわけではありません。学校によって児童・生徒に渡す検診結果票
  が異なりますので「抜くべき歯」に○が付いて来院される方もいらっしゃいますが、これは上記
  の「要注意乳歯」のことと思ってください。

Q:サホライド(塗銀)とは何ですか?

A:虫歯進行止めの薬とも呼ばれる通り主に乳歯の虫歯の進行を抑えるために歯に塗る薬で
  す。成分はフッ化ジアミン銀で銀を含んでいるため塗ると虫歯の部分を中心に黒く変色しま
  す。また象牙質知覚過敏症(歯がしみる)の場合に塗布する場合もあります。
   進行止めとしてはお子様の歯が黒くなるのをご父兄が嫌うことが多いので当院の場合は
  よほど治療が不可能な場合以外は使用しておりません。また使用する場合もご父兄の同意
  を得た上での塗布に留めております。

サホライド

Q:キシリトールガムを噛むと虫歯の予防になりますか?

A:別ページ参照

Q:歯科検診で渡された図の見方がわかりません。

A:別ページ参照


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