Q:小さな虫歯なのに歯科医院で大きく削られてしまったのですが
A:まず、歯の構造をご覧になってください。歯の表面は最も硬いエナメル質でできています。
その直下にはやや軟らかい象牙質があります。虫歯はエナメル質から始まって象牙質に
進行してやがて神経(歯髄)に達しますが、上記の通り硬いエナメル質では進行が遅く象牙
質内では急速に進行するのです。下の図をご覧頂ければエナメル質で点状または線上に
見える虫歯でも象牙質内では以外に拡がっているのがお分かり頂けると思います。従って
下の図の灰色の部分のように削って詰めなければならないわけです。余談ながら歯の平ら
な面の虫歯を平滑面齲蝕、歯の溝や窪みの虫歯を小窩裂溝齲蝕(しょうかれっこううしょく)
と呼びますが一般に小窩裂溝の方が虫歯になりやすいと言われています。
(株)ナルコーム 文例達人2よりイラスト一部転載
この図は詰めるべき部分を説明のために模式化したもので
実際には詰めものの種類や虫歯の形によって削り方は異な
ります。
A:歯周病及び加齢変化により歯肉が痩せてくるとエナメル質とセメント質との境目の部分
(エナメルセメント境)が露出してしまいます。この部分はエナメル質・セメント質ともに非常
に薄く場合によっては最初から象牙質が露出してしまっている場合もあります(象牙質知覚
過敏症の項を参照)。ここは歯の周りでは最も弱く食べカスも溜まりやすい場所です。食べ
カスが溜まっていて歯が軟化した状態で横磨きをすると容易に摩耗してしまいます。くさび状
に摩耗して窪んだところはさらに食べカスが溜まりやすい状態となり悪循環を繰り返してどん
どん深くなっていきます。
象牙質知覚過敏症の項でも述べられている通り象牙質には神経(歯髄)から放射状に延
びる象牙細管というものが存在しますがその象牙細管により外界の刺激が歯の中心部の神
経に伝達されますので象牙質知覚過敏症を伴うことが少なくありません。
まずは硬い歯ブラシによる横磨きは避けなければなりません。特に最近主流になりつつあ
るブラッシング法のバス法は短時間に磨いてしまおうと急いでブラッシングしたりすると、とも
すれば横磨きになってしまいがちですので気をつける必要があります。
図の左側の歯(上の前歯)と右上の歯(上の小臼歯)は部位が異なります
(株)ナルコーム 文例達人2よりイラスト転載
しかし横磨きの習慣がない方や動物などにもくさび状欠損が生じていることから他の原因
も存在することが確認されています。それは歯軋りや強く噛み込む癖により歯の頸部(歯頸
部)に応力が生じ徐々に歯の硬組織が破壊されてしまうというものです。この場合は予防す
るのは難しいかもしれません。
治療法は欠損部分をプラスチック(レジン)で詰める方法、症状によっては神経を取って被
せる方法等があります。
A:虫歯でもないのに冷たいものや甘いものがしみたりする場合があります。これらの症状の多
くは象牙質知覚過敏症と呼ばれるものです。歯周病及び加齢変化により歯肉が痩せてくると
エナメル質とセメント質との境目の部分(エナメルセメント境)が露出してしまいます。この部
分はエナメル質・セメント質ともに非常に薄く場合によっては最初から象牙質が露出してしま
っている場合もあります。象牙質知覚過敏症はこの象牙質が露出することによって発生しま
す。象牙質には神経(歯髄)から放射状に延びる象牙細管というものが存在しますがその象
牙細管により外界の刺激が歯の中心部の神経に伝達されるのです。象牙質が露出してしま
う原因にはブラッシング不足による歯の軟化、硬い歯ブラシでの横磨きによる摩耗(くさび状
欠損)等によるエナメルセメント境の破壊、歯を削った後の一時的なもの等が考えられます。
治療法としましては象牙細管を塞ぐことを目的として薬剤や薬剤入りの歯磨剤を使用した
り、くさび状欠損等の場合はプラスチック(レジン)を詰める方法等があります。またブラッシ
ングにより自然に治る場合もありますし、逆に症状がひどい場合は神経を取らなければなら
ないこともあります。
しかし歯には神経がありますから健康な歯でも熱さ冷たさを痛みとして感じることはできま
す。例えば氷をしばらく噛んだままにしたり真冬に水道水を口に含んだりすれば当然歯が
痛くなってきます。ですから虫歯がないのに冷たいものがしみるイコール象牙質知覚過敏症
ではありません。ただブラッシング時に歯の根元の部分に歯ブラシの先が当たるとズキッと
するという症状がある場合はほぼ間違いなく象牙質知覚過敏症かと思われます。
(株)ナルコーム 文例達人2よりイラスト一部転載
Q:神経を取った後にも歯が痛むのですが何故ですか?
A:神経(歯髄)を取るということは神経を根の先のところ(根尖孔)で切断し歯に入り込んでいる
神経を取り去ってしまうということです。その際に根の周りを覆う歯根膜が炎症を起こします。
または神経を取る前から歯根膜が炎症を起こしている場合もあります。そのために一時的に
噛んだときに痛かったり体が温まったり熱いものを食べると痛かったりするのです。他の原
因としましては麻酔が効きにくくて何回も麻酔をうった場合等では注射の針を刺した所が痛
む場合もあります。何れも治療が進めば改善してきますので、その歯で噛まないようにして
できるだけ安静にしていれば心配はないと思われます。
しかし炎症の度合いによっては何もしなくても激痛が走るという場合が稀にあります。この
場合には早めに通院中の歯科医院に相談された方が良いでしょう。
また歯によっては根管側枝や副根管と呼ばれる機械で取りきれないレントゲンでも見えな
い神経が存在することがありますが、その際には神経を殺す薬を使用しなければならないこ
ともあります。
上記は神経を取った直後の痛みですが、神経を取って何年も経ってからの痛みというもの
もあります。これは根尖性歯周炎と呼ばれ前述の歯根膜や歯槽骨が炎症を起こす状態です。
原因としましては硬いものを噛んだ、新たに虫歯になった、ブラッシング不足により細菌が入
った、歯周病に由来するもの等様々ですがこの場合には根の治療が必要になります。
これらのことから分かるように神経を取った歯でも痛む場合もあるということです。
Q:シーラントとは何ですか?
A:別ページに記載
Q:検診でCOと言われたのですがこれは何ですか?
A:別ページに記載
Q:キシリトールガムを噛むと虫歯の予防になりますか?
A:別ページに記載
Q:自分の外した銀歯を溶かしてそのまま新たに入れてもらえば治療費は安くなります
か?
A::結論から言いますと安くはなりません。こちらをご覧になっていただければ銀歯ができる過程
をご理解頂けると思いますが銀歯を作るときには銀歯に必要な金属量の倍以上の金属を必
要としますし、さらに研磨の際にかなりの量の金属が削られてしまいます。当然外した金属で
足りるわけはありませんし成分の分からない金属を混ぜて使うわけにもいきません。加えて保
険診療では金属量で治療費が定められているわけはなく歯の部位や形態で細かく規定され
ています。別の金属を混ぜて使うことは想定されていませんから保険適応外となり自費治療と
なってしまいます。
これが保険適応外の金歯だったらどうでしょう?18Kとか21Kとか金の含有量により様々な
金属がありますが見ただけで金の含有量は分かりませんしそこに含まれる金以外の金属の
種類とその含有量も分かりません。異種の金属を混ぜてもまともに機能するものができると
は思えませんので成分分析業者に分析を依頼することになります。その際金属の値段より高
い分析手数料を支払わなければなりません。さらに技工所にも余分な手間をかけることにな
りますのでこの分の費用も発生することでしょう。金歯を入れるための費用イコール金属の値
段ではありませんので、かなり費用が余分にかかってもその金属を使いたいという何らかの
思い入れとかがなければお勧めできません。
A:神経を取る治療、根の治療の際に用いる器具で先端の形状によりリーマーとファイルに分類
されます。リーマーは穴を広げる器械、ファイルはやすりという意味がありますが文字通り神
経のあったスペース(根管)を広げたり、根管の壁を平らにするのに使用します。実際にはど
ちらの目的も重複している部分がありますので厳密に使い分けせずに使用している場合も多
いようです。また神経を取ったり根の先に詰まった膿や血の塊の感染物や古い根管充填材
を除去する際にも使用します。
先端の太さによって色が定められていまして、細い方から灰紫白黄赤青緑黒白黄青...と
なっています。最初の灰と紫はかなり細く根の先の細い穴(根尖孔)を見つけるのに使われる
ためパスファインダーと呼ばれることもあります。
当院で使用しているリーマーボックス
左から同サイズのHファイル、Kファイル、リーマー
Q:根の治療の時使うピピッと音のする機械はなんですか?
A:これは根管長測定器でリーマーまたはファイルが根の先まで到達すると音が鳴るようになって
います。音の違いにより根の先までの距離も判断できます。当院で神経や根の治療をされた
方は治療する歯と反対側の口の角に排唾管と呼ばれる唾液を吸う道具を入れられたことがあ
るはずです。根管長測定器の片方の電極はその排唾管に接続されもう片方はリーマーまたは
ファイルに接続されます。
当院で使用している根管長測定器
排唾管
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